クラシックギターをやっています。少しずつ前に進んでいます。(カステラミルクの雑記帳2009年1月16日~2014年12月31日、カステラミルクの練習帳2009/04/09~2014年12月31日)定期更新を終了いたしました。
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 再掲載: 「スペイン舞曲第10番」/作曲 グラナドス/演奏 ペペ&セリン~アルバム「スペイン・ギター名曲集」より~
2014年08月19日 (火) | 編集 |
過去記事の再掲載です。セゴビアさんの演奏の映像は公開が終了されています。
当時と今では感想が違います。
それについてはまた次回…。
投稿時間は15時だと思います。ブログ移転の際、反映されなかったみたいです。
(2014年8月24日追記:一番下に動画を入れておきます。
スペイン舞曲第10番の方は初掲載の時に載せていた動画ではありません。)


AUTHOR: カステラミルク
TITLE: 「スペイン舞曲第10番」/作曲 グラナドス/演奏 ペペ&セリン~アルバム「スペイン・ギター名曲集」より~
DATE: 05/06/2009 03:21:22
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連休中はギターも連休ということで、私は夫が休みの5月3日から本日6日まで、ギターを弾いていません。
週休2日、土日祝日、正月、盆、ゴールデン・ウィーク…、世間がお休みの時は、私もギターの練習をお休みしています。



それで、全くギターと離れているかと言えば、そうではありません。ウォークマンで音楽は聴いています。休日は、普段あまり聴かないものも、じっくり聴きます。



昨日、私は、ペペ&セリン(ロメロ兄弟)の「スペイン・ギター名曲集」を聴いて、特にグラナドスの「スペイン舞曲第10番」を気に入って、何度も聴きました。



後で、私が夫に、
「今まで何とも思わなかったのに、すーっと(心に)入ってきた。すごく楽しい曲」
と言うと、
「いや、それは悲しい曲。それは、『悲しき舞曲』っていう副題がついてる」
と返されました。



「えー、悲しい曲なの?! 、どう考えたって、楽しい曲やん。子犬が何匹も転げまわって遊んでいるみたい」



「そういうの、あるよな」
と彼も同意しました。



終わり方もいきなりジャーン!! 、と大きな音で終わって、びっくりさせられます。いったい、何なのでしょう、この曲は。



稲垣稔さんのアルバム「ソナチネ」の中に収録された同じ曲を聴いてみました。多少、悲しくはなったでしょうか。でも、軽快な伴奏を聴くと、やっぱり悲しくなんかなりません。



この曲には、きっと、日本人には到底理解しきれない、スペイン人の感性や様式美が、含まれているのでしょう。



聴けば聴くほど、「○○○○ちゃーん、○○○○ちゃーん」と繰り返し、犬の名前を呼んでいるようなこの曲は、私にとって、「子犬のじゃれあい」以外、何者でもありません。



【おまけ】神様アンドレス・セゴビアによる演奏
グラナドス「スペイン舞曲第10番」
Danza espanola no 10
http://www.youtube.com/watch?v=-ewWRKaRZMY
↑ 神様の演奏でも子犬が走っている(と言い張る)。



トロバ「カスティーリャ組曲 ファンダンギーリョ」
Andres Segovia - Fandanguillo - Moreno-Torroba
http://www.youtube.com/watch?v=ZyX71BrsCHY
↑ 私が大好きなバリオスをいじめた人なのに、こういうの聴くと、憎めないです。


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Segovia Plays Danza in G (Granados)
http://youtu.be/BBOqnSvVlI8

セゴビアさん、悲しいお顔をして弾いていらっしゃいます。
でも、音声だけにすると、どうしても楽しくなってしまう。

Andres Segovia - Fandanguillo - Moreno-Torroba
http://youtu.be/ZyX71BrsCHY

このセゴビアさんはかっこいい!

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 久しぶりにCDを買いました。(イリーナ・クリコヴァ:ギターリサイタル~2010年11月カナダの教会における録音~)
2014年08月07日 (木) | 編集 |
めったにCDを買わないのですが、考えに考えて選びました。

イリーナ・クリコヴァさん。
彼女がギターを弾くとまるでピアノの低音のよう。

20140807-irina-02.jpg
(ナクソス発売の2枚目です。日本版はサイドに日本語の販促用の小さな紙が入っています。多分違いはそれだけ)

重量感があって、迫力があって、それでいて、音はきれいで、まろやかです。

20140807-irina-01.jpg
実は私はカリフォルニア組曲の楽譜を持っています。(弾けるのか?)
というのも、(ギターじゃなくて野球で)首を傷めた夫のリハビリ用に、私がyoutubeで曲を探して入手した楽譜なのですが、
彼は「俺はこういう曲は嫌いや」と言ったので、自分で弾くしかありません。
楽譜はなっかなっかamazonが送ってくれなくて、
現代ギターに問い合わせたら、
amazonから発注がかかっていないと言われ、キャンセルして、現代ギターに注文し直しました。
すぐ出すように手配をかけてくださって、すぐに届きました。
応対してくださった現代ギターの担当者様、その節はありがとうございました。

彼女が出す音は私が一番弾きたい音です。(え?、先生は?)
(えーと、えーと…)音は違いますが、細かい部分は先生にも通じる丁寧な仕上げです。

全然違うタイプだから、比べるべきではありませんが、
私が大好きなタチアナ・リツコヴァさんはエンターテイナーの要素が強い人と思います。
すごく若い時に男の子とデュエットを組んで、人前で弾いた経験があり、聴き手を喜ばす術にたけています。
(インタビュー映像の中に、律子さんが12歳頃の映像がありました。ふたりでTico-Ticoを弾いていました。
この記事の一番下に資料を入れておきます。[READ MORE...] のところです。)
スペイン物、南米物、テクニカルな曲や新しい曲を弾いてほしい人。
ギターもギター以外の楽器ともどんどん合わせていって欲しい人。

イリーナ・クリコヴァさんは本格的なクラシックギタリストだと思います。
ソロで、古い曲、それも大曲をどんどん弾いてほしい人です。

でも、割と新しい、ホセ・マリア・ガジャルド・デル・レイさんの「カリフォルニア組曲」も弾いています。
一曲目二曲目は切なく、三曲目の「サラバンド」は古い感じで、
最後の四曲目は楽しくはじけて、まさに彼女のための曲なのですが、献呈された曲ではありません。

ガジャルド・デル・レイさんは村治佳織さんがデュエットをしたことがある人なんですが、
村治佳織さんは、どうしてこれを弾かなかったんだろう?(私が知らないだけでもしかして弾いていますか?)、
と思うくらい、「カリフォルニア組曲」はすばらしい曲だと思います。

村治佳織さんには簡単すぎる曲だったかもしれないですが、
それはイリーナ・クリコヴァさんにとっても簡単な曲のはずで、
イリーナ・クリコヴァさんは、プロのギタリストにとっては一見簡単な、
この曲のよさを見逃さず、愛情をこめて弾いて、
自分のものにしてしまったところに、尊敬の念を覚えます。

関連記事:8歳のイリーナ・クリコヴァさん(一番下に「カリフォルニア組曲」の演奏の動画を入れています。)

同日追記:ツイッターでは言ったのですが、こちらでは言い忘れていました。
村治佳織さん、ご結婚、おめでとうございます!



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 律子さんのExpressions、買いました。
2014年07月21日 (月) | 編集 |
初めてダウンロードで音楽を買いました。

20140721-tatyana-expressions.jpg
amazon musicで、ただいま再生中。

軽やかな演奏です。
バロック、古典などの、こう弾くべき、こういう音で弾くべきということの知識が、私は不足しているので、
もしかしたら、そういう曲は違うのかもしれないけど。

私はタチアナ・リツコヴァさんの演奏は非常に魅力的と思っています。
椿姫なんて、たいそう愛らしくて、若々しいです。

タチアナ・カルテットのリベルタンゴは、ちょびっと古風な感じもするし。
彼女の演奏はちょっと面白い。
聴き飽きないです。

一曲ずつでも買えるけど、律子さんのはもちろん、一枚分、全曲を買いました。
彼女の個別の曲の演奏のセンスから、アルバムにした時のトータルの選曲のセンスを信じました。

たったの千五百円!
濱田滋郎先生の解説のようなものはないけれど。

私は大変気に入りました。

余談ですが、ベラルーシの国旗を御存知ですか?
FlagofBelarus.png
旗竿側に伝統的な織物に使う模様が入っています。
律子さんと同じ古くて新しいセンスが光っています。

(2014年7月23日追記:昨晩、夫がこのアルバムから何曲か聴いてみて、「Zambra」に感激していました。
「かーっこいい!」。
彼がこういう発言をしたのは、村治佳織さんが演奏する「あるタンゲーロに寄せる哀歌」を聴いて以来だと思います。
知らなかったので教えてもらいましたが、Zambraは、アルベニスの難曲だそうです。
彼は私のように浅学ではありません。かと言って、博学とも言えませんが、基本は抑えています。
Zambraについては、この記事の一番下の、拍手とツイートのボタンのすぐ上の、クリックして開くところに、資料を入れておきます。
要約すると、ジョン・ウィリアムスが弾いている「Zambra granadina」とは別の曲だということです。
時々、こういうところに動画等を入れているので、[READ MORE...] をクリックして、全体を見てくださいね。)



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 稲垣稔さんの「カルカッシ・25の練習曲」再版について
2013年10月03日 (木) | 編集 |
稲垣稔さんのアルバム「カルカッシ・25の練習曲」が再版されました。
20130926-inagaki-carcassi.jpg

稲垣稔さん公式サイトで、同時収録された「月の光」の主題による変奏曲が試聴できます!
ジャケットデザインは以前のものです。
http://www.m-inagaki-guitar.com/listening/25etudes.html

普通に弾いておられるものもありますが、「どこの演奏会やねん!」と思わされる演奏もあります。
私は特に17番にしびれています。

このCDの存在は、ブログ「Woodnoteな日常」様の「稲垣 稔さんの想い出」という記事で知りました。

http://blog.goo.ne.jp/woodnote_2009/e/f542eb559ba71a095047029caba0f786

http://blog.goo.ne.jp/woodnote_2009/e/c3646392241d1e4aae0fd70febb1483a

埋もれてしまった名作、こだわりの演奏と録音です。
到底真似できませんが、末永く大切に聴いていこうと思います。

 タンゴ・アン・スカイ/作曲 ディアンス/演奏 エレーナ・パパンドロワ~アルバム「ローラン・ディアンス」より~
2011年12月15日 (木) | 編集 |
私が「タンゴ・アン・スカイ」を初めて聴いたのは、通っているギター教室の演奏会でした。
いつ頃かはっきり思い出せません。
お弾きになった方はもう教室にお見えではありません。

なんだか不良っぽい曲だな、というのが、私の印象でした。
その方の演奏は、リズムがしっかり取れていたので、気持ちよく聴けました。

その後、村治佳織さんの演奏を聴きましたが、
プロの方が音がずっときれいで、リズムもずっとよくて、
うまい演奏なのに、それほど印象は変わりませんでした。

もしかしたら、その方は村治さんの演奏を参考に弾いていたのかもしれません。
一筆、一筆、さーっと、勢いよく。

福田進一さん、木村大さん、素人の動画、いろいろ視聴して、
ふっと気づいたことがありました。

この曲には、何人の人物が出てくるのか?
物語はあるのか?

こういうことについては、正解はないと思います。
弾き手と聴き手の相性に他ならないと思います。

弾けない私の、勝手な想像では、登場人物はふたりで、物語があります。

そして、全体的にエレガントな雰囲気で、細部に工夫が凝らしてあるものが、好みです。

そうなると、ディアンス本人の演奏が外れてきます。
ディアンスはスーパーテクニシャンですが、エレガントな雰囲気というには、違う気がします。

エレーナ・パパンドロワの演奏は、私の我儘な期待に応えます。

硬く冷たい音なのに、余韻は不思議に温かく、耳に残ります。
和音のバランスが非常によく、低音がよく響き、どこかピアノのようにも聴こえます。

何度も出てくるスラーの連続にはバリエーションがいろいろあります。

この方の演奏は、本当に「踊り」です。
息が切れて、最後にくるくる目が回って、ひっくり返る感じです。

 最近買ったCD(感想はまだです。)
2011年08月27日 (土) | 編集 |

買ったのは一週間ぐらい前なんですが、まだちゃんと聴けていません。
感想もなかなか書けそうにありません。
PCの前は暑いので…。

ディアンスはまとめて聴くとしんどいです。
でも、エレーナさんの「タンゴ・アン・スカイ」はいいです。
(…すいません。苗字が読めません。)
この方の演奏は、勢いよりも深さを感じます。

20110820papandreou-dyens.jpg

今頃買った福田進一さんのタレガ集Ⅰ。
先に買ったⅡの方が聴きやすいです。
Ⅰは通好みの選曲だと思います。

20110820fukuda-tarrega.jpg



 「幻想的ソナタ」第三楽章/作曲 トロバ/演奏 益田正洋~アルバム「ソナタ」より~
2011年03月31日 (木) | 編集 |

「幻想的ソナタ」の第二楽章の感想を書いてから、半年以上、経ってしまいました。
忘れていたわけではありません。

私は、長い間、このよくわからない曲を解きほぐし、
理解しようと努めてきました。

トロバの雰囲気、技術がふんだんに盛り込まれたこの曲は、
深く、暗く、ややこしく、
弾く人も聴く人も選んで、作られていると思います。

トロバの曲は演劇的ですが、
ここに描かれている世界は、中世の騎士や姫が出てくるような、
よくある話だと思います。

この曲は、陳腐な話を壮大なスケールの芝居に仕立て、
多くのエピソードを盛り込み、さらに、
登場人物の苦悩までも描き出そうという試みが成されていると思います。

行動的な登場人物が発する言葉は、詩的であり、哲学的です。

つまり、これは考え付く色々な事柄を何もかも盛り込んだ、非常に実験的な曲です。

全体的に暗い雰囲気ですが、
剣で戦う金属的な響きもあれば、鬱蒼とした森の中を、
延々と彷徨うような雰囲気のところもあります。

しかし、この曲のよいところは、絶望で終わらないところです。

曲のところどころに月が雲間から覗くような明るい部分があり、
最後は、晴れ渡った空の下、民衆を困難から救った英雄たちが、
馬に乗って去って行きます。

若い彼らが持っている個人的な悩みは解決しません。
彼らは、弱くやさしい心を気障な振る舞いの鎧で守って、
次の自分達を必要とする人たちの下へ、去っていくのです。

第三楽章には、第一楽章のところで、私が述べたヒロイズム、
あるいはダンディズムの雰囲気があります。

そうすると、第二楽章だけが、違ったものになってしまいます。
これをどう考えればいいのでしょう?

もしかしたら、第二楽章は「解決しないこと」を目指して、
あえて真ん中に置かれた部分かもしれません。

私にこの曲を弾く技術があったとしたら、おそらく第三楽章だけ、
あるいは第一楽章だけしか、弾かないと思います。
この曲を全曲通して解釈して、表現するには、
高度な技術に加えて、強い精神力が必要だと思います。



 Youtubeの掘り出し物
2011年03月03日 (木) | 編集 |

最近はじっくりCDを聴くことができません。

そういうわけで、「カステラミルクの練習帳」の
新しい記事(特に「CDの感想」カテゴリー)がなかなかアップできずにいます。

でも、短い曲は、他のブログさんや、Youtubeでよく聞いています。

Youtubeは著作権を無視しているものもありますが、
演奏家さんがご自身でアップしておられるものもあります。

昨年末、偶然見つけた田部井辰雄さんの動画は、
Youtubeから検索するのは難しいので、
公式ホームページのコンテンツから、時々、観ています。

アマチュアの方もかなり上手な方はおられるのですが、
今日は、プロの方の素敵な動画を見つけました。

フェレールは、「タンゴNo.3」しかしらなかったので、
世界を広げていただいた感じがします。

新間英雄 フェレールの幻想曲とタンゴ Shinma play Ferrer
http://www.youtube.com/watch?v=eN_R47Tbf5M

しかも、ご本人によるメッセージがラストにあります。

取りあえず、ご報告まで。

2011年3月5日追記:
新間英雄さんの動画は他にも興味深いものがたくさんあります。

ume31421 さんのチャンネル
http://www.youtube.com/user/ume31421#p/a/u/0/HGfjIEyIraU

その中から、

エッセイ「お灸やさん」とカルリの序曲 ギター新間英雄
http://www.youtube.com/user/ume31421#p/a/u/2/DO46ZQqqP88

えらい先生だと緊張して見始めたところなんですが、
すごくおもしろい方みたいです。



 朱色の塔/作曲:アルベニス/演奏 稲垣稔~アルバム「ソナチネ」より~
2011年01月15日 (土) | 編集 |

アルベニスの「朱色の塔」は高度な技術を持っている方に、是非とも飛ばしまくって弾いていただきたい曲です。

私は大体、益田正洋さんみたいな、低音を十分に響かせた、ちょっともったいぶったような演奏が好きなのですが、この曲に関しては、飛ばして、攻めて、弾き切っていただきたいという理想があります。

稲垣稔さんの「朱色の塔」は勢いがあります。
ひと筆でサーッ、サーッと気持ちよく進んでいきます。
この曲に特徴的な、細かい追い立てるような伴奏に、稲垣さんらしさが見えることはありません。
個性が出るのはメロディー部分やハーモニクス、伴奏でもジャンジャンジャンと同じように弾く、単純なところだと思います。
他には、メロディーの区切りのところで、溜めるチャンスがある時に、どれぐらいの長さで溜めるか、というところだと思います。

この曲は、夕日に染まる塔に刻まれた長い歴史を描かなければなりません。

弾き手がこの曲に、何の細工も施さなければ、この曲は難曲で、弾き手が弾くだけでも大変苦労したにもかかわらず、聴き手には、風が吹き抜けていくように、ただ心地よく通り過ぎて行く印象しか残さないと思います。

ひたすら美しく、速く、それでいて、要所では聴き手の心をしっかりとつなぎ留める演奏をしなければならない曲が「朱色の塔」だと思います。

稲垣さんのこの演奏はその辺のバランスが非常によい作品に仕上がっていると思います。

2011年1月16日追記:
「音」について書き忘れていました。

稲垣稔さんの、冷たくてかわいい音は、「塔」を「スペインの塔」だけに限定しない効果があると思います。

冷たいというのは、氷を削った粉のような、かわいいというのは、オルゴールのような、と言い換えても構いません。

稲垣さんの音による「朱色の塔」は、実在のものでも、人の心の中にしか存在しないものでも、すべてのものが対象になってくると思います。

逆に、スペインの塔に限定するのなら、音にも弾き方にも、暑く暗く重々しい感じが必要になってくると思います。

より正統なのは後者かもしれませんが、私はこの曲に関しては、前者の弾き方の方が好きです。



 イタリア協奏曲BWV.971(ギター・デュオ版)/作曲:バッハ、編曲:稲垣 稔&松本吉夫/演奏 稲垣稔&松本吉夫~アルバム「イタリア協奏曲」より~
2010年12月11日 (土) | 編集 |

稲垣稔さんは、常に攻めの姿勢を崩さないギタリストだと思います。
彼の演奏の多くは、冷静で安定したイメージがありますが、
時折、情熱がほとばしっているのを感じることもあります。

私は一度だけ、生で拝見したことがあるのですが、
その迫力たるや、ものすごいものでした。

指先も呼吸も感情も全て、別の人格の支配下において、コントロールしているような、
大きく複雑な機械が細かな歯車を動かしているような、そんな演奏でした。

節約主婦の私が何故、このようなすごい方の演奏を聴けたかというと、
京都の楽器屋さんのイベントに来ておられたからでした。

調べてみると、稲垣さんは、大きな演奏会の他に、
たとえば病院のような場所で、演奏されたり、
フルート奏者の方や、ギター教室の先生と一緒に、演奏されたり、
多方面に、演奏活動を展開しておられるということが、わかりました。

このアルバムにおけるパートナーの松本吉夫さんも、
私は初めて名前を知ったのですが、
調べてみると、やはり主にギターを教える仕事をしておられる方でした。

アルバムのタイトルになっている「イタリア協奏曲 BWV.971」の
ギターデュエットによる編曲は、
稲垣さんと松本さんの共編で、現代ギターのホームページによると、
世界初出版で、非常に成功したことが、
稲垣稔さんのホームページのプロフィールの、1996年から1999年のところに、
詳しく記述されています。

このように大きく様々な味わいがある曲を、
どれだけの年月をかけて、この編曲をされたのか、
どうやって共編されたのか、聴けば聴くほど、
迷宮に迷い込みそうな、複雑さと細やかさです。

強弱のつけ方、掛け合い、メロディーの重なり合い、絶えず変化する曲調、
さざ波のような音の処理の、どれをとっても、
ギターで編曲する不利を言い訳にしたものではなく、
むしろ、聴いている内に、チェンバロの響きにも思えてくる完璧さです。

まさか、稲垣さんは、最初、これをひとりで弾こうと思っていらっしゃったのでしょうか?
どうしても音が足りない。
別のメロディーが走る。
別に強弱がつく。
そんなことより、ふたつに分けて、できるだけ鍵盤の世界をギターに写し取り、
ひとりの詩情に、もうひとりの詩情を重ねる。

稲垣さんがこのように考えられたかどうかはわかりませんが、
最適なパートナーを見つけられ、深く、鮮やかな、音楽の重なりを残されたのは、
大変な偉業であると思います。

ちなみに私の夫は、この曲を、私ではない誰かと弾きたいと申したことがあります。
失礼千万ですが、そう言った彼も、実際にこれを弾く自信はないそうなので、
彼が目指す、弾ける人同士の対等な演奏の、最良の事例として、
特に気に入っているようです。

(注 :私の勉強不足でどういうところがイタリア趣味なのか、
わからなかったので、ギターの二重奏を聴いて楽しむという観点から、
この文章を書きました。)



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