クラシックギターをやっています。少しずつ前に進んでいます。(カステラミルクの雑記帳2009年1月16日~2014年12月31日、カステラミルクの練習帳2009/04/09~2014年12月31日)定期更新を終了いたしました。
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 再掲載:エッセイ:エヴァンジェリンとの別れ
2014年09月29日 (月) | 編集 |
エヴァンジェリンとの別れ


「彼女に気を遣うな。もっと前へ出ろ」

と、夫はその半年ぐらい前から、私に言っていた。

彼女とは、私がかつて勤めた会社の同僚であり、私をギター教室に連れて行ってくれた恩人である。

「もう、あの子の方が辞める可能性が高いねんで」


夫に言われるまでもなく、私もそう思っていた。

彼女は私より5歳も若く、母親という仕事に、非常に強い理想を抱いていた。

だから、先生から、彼女がギター教室を辞めることになったと聞いた時は、私はそれほどショックを受けなかった。


それは、三年前の、冬の寒い夜のことだった。

こちらの都合で、レッスンは遅い時間になった。


私、それから夫の、それぞれのレッスンが終わると、先生は、

「送ったるわ」

と、車で駅まで送ってくださった。


そんなことは、初めてだった。

そして、その後は一度もない。


祝福の言葉は、私達の口から自然に出た。

しかし、夫は、

「じゃあ、レッスンは? 」

と先生に聞いてしまったし、それを遮って、

「置いては来はらへんよ」

と言った私も、

「先生もあんなに上手い人・・・ 」

と言いかけて、口をつぐんだ。


先生は、こうした私達の問いかけには答えられず、ハンドルを握り、前を見ておられた。


車は、海へ向かって、緩やかなカーブを何度も曲がり、坂道を降りて行った。

先生の御宅から駅までそんなに遠くないのだが、重苦しい雰囲気で、時間は長く感じられた。


先生と別れた後、夫は私を非常に気遣ってくれたが、私は大丈夫だと言った。

「私、ギター弾く。もうちょっと頑張ってみる。これだけ続いたんやもん。もう、縁やと思う。

神様が私には、普通の女の人がやることはしなくていいから、ギターを弾けと言うてはるんやと思う」

「本当に大丈夫? 」

「うん」


彼女は何でも持っているけど、ギターが弾ける夫も、ギターに理解がある夫も持っていない。

彼女にとって、ギターは教養のひとつだっただろうけれども、私にとっては、これからは芸だ。


こんなふうにまた楽器と向き合う日が来るとは、思ってもみなかった。


(2009年12月13日)
注:上記エッセイのタイトルに使った「エヴァンジェリン」は、「アンクル・トムの小屋」の登場人物から取りました。
私は子供向けの「アンクル・トム」しか読んでおりません。
ここでは、「心やさしいお嬢様」という意味で用いました。
エヴァンジェリンは早世するとか、エヴァンジェリンのやさしさは、黒人に対する白人の優越感からであるとか、
そういう意味では用いておりません。



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 恩師との別れ
2014年09月16日 (火) | 編集 |
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 再掲載:エッセイ:思いながら
2014年09月08日 (月) | 編集 |
都合により更新が滞っております。
当分、旧作品を掲載いたします。


AUTHOR: kasuteramilk
TITLE: 思いながら
DATE: 04/17/2009 10:17:41
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昨年秋から冬にかけて、「ラグリマ」を先生に見ていただいた時に、
私は先生から恐れていた指令をいただきました。



それは、A-B-A構成の、感傷的なBの部分を、
「思いながら弾きなさい」いうものです。



ああ!! それだけはイヤ!!!!



だって、思ったら、すごい顔になってしまうじゃありませんか。
セルシェルさんみたいにお行儀のよい顔だったらいいです。



福田進一さんみたいに全部顔に出てしまったら、
未熟な技術しか持っていない私は、恥ずかしいじゃないですか。



そういうことを思いながら、私がぐずぐずしていると、
先生が弾き始められたので、仕方なく、私もそれに付いて弾きました。



弾き終わると、先生はにこにこ顔です。



もうひとつ納得していない私が先生に、
「思うと、ポジションを忘れるんですけど」
と言うと、先生は、
「あー、そんな時はね」
と思ったり、思わずに左手を見たり、という動作を迅速になさいました。



そんな器用なことできません。



一応、昨年11月のコンサート(発表会)では、
少しそういうことも意識して演奏しましたが、
今度の曲でそれをやると、空中分解しそうです。



が、弾けて来ると、
「こういうふうに弾いた方が感じが出るやろー」
と、ついに出ました。悪魔の指令が!!



やります。やってみますけど。顔が心配。
若くなくても、女性なので、そういうことは気になります。



私がそういうことの参考にしているのは、村治佳織さんです。
彼女は演奏中、すごく怖い顔をしていらっしゃいます。
もう、これで行くしかありません。



こういう時、ピアノなら、顔が観客の方に向かないから、
ピアノを弾く人が羨ましいです。




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